12月3日(火)、チョーヤ梅酒株式会社の菅健太郎氏に起こしいただき、「これからの時代に必要なデザイナーの視点」というタイトルで講演していただきました。
菅氏は2006年に同社入社後、いくつかの部署を経験されたあと、梅酒の製造に携わり、そこで目の当たりにされた『個性豊かで高品質な日本の梅』を世の中に広めたいという想いで社長に直訴し、新規事業として梅体験専門店「蝶矢」を京都六角通りに立ち上げられました。「蝶矢」のブランドコンセプトを明快な形にするため、外部の有能なデザイナーと協力した経験を通して、これからのデザイナーが身につけるべき視点や能力についてお話しいただきました。
講演の中では、デザイナーがチョーヤの梅が採れる和歌山まで一緒に趣き、菅氏の想いを最大限理解して、多岐にわたるデザインや経営、広報についてもアドバイスをしたことを語っていただきました。店舗、パッケージ、商品、店名、ロゴマーク、オーナメントロゴ、果てはWEBサイトの指南やSEO対策まで菅氏とデザイナーが話し合って一つのブランドと店ができあがっていったそうです。学生はデザイナーの職能範囲の広さ、責任の重さ、クライアントと共に意識共有を経て想いを形にしていく姿勢にひたすら驚いていました。
菅氏の明快な語り口を通して、メッセージがくっきりと聞き手に伝わり、会場は一体感が生まれていました。講演後は刺激を受けた学生から次々と手があがり、質の高い質問が繰り出されました。
貴重な時間を使って有意義な講演をしていただいた菅氏とチョーヤ梅酒株式会社に感謝いたします。
*主催:芸術学部デザイン学科