230608-株式会社シード見学

2年生は前期の最初の課題が一段落して、今日から折り返し地点。大阪府豊中市のRader消しゴムで有名な株式会社シードさんの新商品アイテムを企画・デザインする課題に取り組みます。

1915年創業で、今年で108年になる老舗企業で、誰もが子供時代には必ず持って使っている消しゴムという身近な文房具を作っている会社です。少子化で学童用の需要が減る中、時代はスマートフォンやパソコンなど電子的に文章や絵を描けるようになりました。一方「文具女子博」の盛り上がりをみても、とことん文房具が好きな人たちが、アナログな文房具を熱烈に愛して使っています。

スタッフの方から株式会社シードの歴史や、消しゴムの製法や材料についての説明、そもそも、なぜ紙に書いた文字が消えるのかという、根本的な仕組みなどをお話しいただきました。

歴史のお話では、プラスチック消しゴムの誕生から、1970年の暮しの手帖の厳格な商品テストでレーダー消しゴムが高い評価を得て爆発的にヒットしたお話、量販店の台頭で全国の小学校の近くに必ずあった小さな文具店4万店が少なくなり、販路に大きな変化が起こったお話、修正テープを世界で初めて生み出したお話、会社がオフィスで社員に文房具を支給していた時代には大量に受注があったお話、などなど時代の変化を経て現在の立ち位置にあるということでした。小さな消しゴムから垣間見える昭和~令和に至る現代史を語っていただいた気がしました。

通していただいた部屋には、過去から現在の商品の展示がありました。商品開発では、ヒットした商品や、逆に狙いがうまく伝わらず不発に終わった商品のお話など、消費者として過ごしていると知り得ないエピソードの数々を聞かせていただきました。特に印象に残ったのは、商品開発で「パソコンの画面上でデザインの判断をしないで、実際の売り場に他社商品と一緒に置かれた様子を確認することが大事」だと言われたことでした。非常に内容の濃い授業でした。

今日得た情報をもとに、7月末のプレゼンテーションまでに学生は新しい企画・デザインを考えていきます。


お忙しい中、熱心な説明をしたいただきましたスタッフの皆様に感謝いたします。