2014年11月3日大阪府北摂地区高校合同実技研修会+六甲アイランド高校体験授業
「3Dプリンターでスマホスタンドを作ろう!」を生活プロダクト領域のメニューとして実施し、高校生22名が応募・参加しました。
3Dプリンターはパソコンから三次元のデジタルデータを受け取って、立体を生成する装置です。誰かがプリンターにデータとなるものを送らないと動きません。そのデータはどうやってつくるかというと、3DCADという種類のソフトを使って作ります。この講習では、DesignSparkMechanicalという無料のCADソフトを使って、自分のスマホスタンドをデータでデザインしてもらおうというものです。講習時間は約3時間半くらいでしたので、講習中に造形はできませんでした。
講習の流れは、下記のようなものでした。
- 全員で同じものを作ってみよう!
- 3DCADの基本操作
- 3Dプリンターのデモ
- デモ中に講師の紹介
- 各自スマホスタンドを作ろう!
- スマホを横からみた図を描く
- トレーシングペーパーに写しとって、線図を描く
- スタンドを横から見たところを線だけでデザイン
- 3DCADでデータ作り
- 3Dプリント(間に合わず、全て講習後になりました。)
以下は講習後に大学のプリンターで造形したときの記録です。みなさん思い思いのデザインをしていますね。一番びっくりしたのは、イラストレーターも触ったことがない=二次元のデザインをしたことがない人がこの短時間に立体のアイディアを出して、初めてのツール(3DCAD)を使って表現したことです。中には、造形用のデータとしてはふさわしくなく、こちらでやり直したものものありますが、概ね高校生の作品のまま出力をしています。
下の作品は、充電ケーブルを刺したまま置けるようにスマホの受けの下部に穴をあけ、ケーブルの取り回し分を床から浮かせています。こうした、「利用状況を考慮した工夫」を行う視点はものづくりを行う上では大変重要です。講習会を準備した講師は、まさか短時間の間にこうした発想を具体化させる人が現れるとは予想しておらず、大変驚きました。
以下は、作品です。クリックすると拡大します。
講習後のデータの造形、修正、サポート材の除去などの動画24本を公開しています。
最後になりましたが、引率いただいた先生方、この研修会をセッティングいただいた先生、参加してくれた高校生に感謝します。
- DesignSparkMechanicalのホームページ
- 講習の時は学習の容易さからDesignSparkMechanicalを使っていますが、正規の授業では、ライノセラス3Dという高機能なソフト(サーフェイスモデラー)を使います。意匠系のCADではデファクトスタンダードになっています。
- 製図CAD・レンダリングの授業へのリンク
- 3DCAD,Rhinoceros 3D, Maxwell Render for Rhino の初心者用解説ビデオ(80本にわたるYoutube動画でCADとレンダラーの操作を解説しています。)