生活プロダクト領域希望者で金沢に一泊二日でゼミ旅行を行いました。
1日目、京都駅朝7時(大阪発の人は6:30)のサンダーバード1号に乗車して金沢へ。9時すぎに駅近のホテルに着いて、すぐにバスで兼六園そばの21世紀美術館に行きました。
ムン・キョンウォン&チョン・ジュンホ:どこにもない場所のこと、「ひとがた」をめぐる造形、コレクション展1うつわ、特別展示:マシュー・バーニー、特別展示:オラファー・エリアソン、など伝統工芸のうつわから、強烈な社会的メッセージの映像作品まで様々なジャンルが同時に展示されていました。無料で入れるエリアでは、うさぎの耳の椅子で写真撮影をするために並んでいる人達がいました。有名なレアンドロのプール、上からは見ることができましたが、感染防止対策で、プールの下に行くには事前予約が必要でした。こちらに21世紀美術館の動画があります。
自由散策で、今話題の建築石川県立図書館を訪れました。市民・県民に開放された驚くようなアイディアと仕掛けが満載の図書館でした。石川県立図書館の動画チャンネルです。
犀川と浅野川に挟まれた小立野台地から日本海に沈む夕日が美しかったです。
2日目の朝、柳宗理記念デザイン研究所で、日本の工業デザインの黎明期を切り拓いた巨匠:柳宗理の作品(殆どが販売中の製品)を職員のかたの詳しい紹介を通して鑑賞しました。説明してくださった職員の方は金沢美大で教壇にも立たれる実力の持ち主で、大変丁寧な解説をしていただきました。「必ずしも売れるデザインが良いデザインではない」という柳宗理の言葉に、経済価値だけで測られがちなデザインは、文化としての価値を持つべきで、デザイナーは使命感と哲学をもって、社会に迎合せず、真理を追求する姿勢が必要なのだと、現代の私達に伝えているようでした。
柳宗理記念デザイン研究所をあとにして、裏手にある暗がり坂を降りて主計町(かずえちょう)へ。浅野川大橋(登録有形文化財)を渡って東山ひがし茶屋街で自由散策としました。自由散策では2020年10月に皇居 北の丸から移転してきた国立工芸館に行きました。21世紀美術館からは、兼六園を左に見ながら広坂を登った本多の森という緑豊かな公園のような場所にあります。ほとんどの展示作品が写真撮影可だったことに驚きました。
夕方には駅に集合して再びサンダーバードに乗って、夜には京都・大阪に戻りました。
石川県金沢市は人口約46万人で、古い城下町の側面と現代的なデザイン・美術という幅広い要素を持ち合わせています。それらが徒歩で散策可能な狭いエリアに凝縮されているのが大きな魅力です。2017年の研修旅行の時よりも、人が少なく空いていました。5年前、街のいたるところで我々のような研修旅行らしきグループを見かけましたが、今回は見ることはなく、感染症の影響の大きさを実感しました。
丁寧に説明していただきました柳宗理記念デザイン研究所のスタッフの皆様に感謝申し上げます。