120530-シェアハウス用家具・家電を考える。モノの消費から関係を形作る社会へ

diagram■所有と共用:
高度経済成長時代、プロダクトの世界では「パーソナル化」が進み、「一家に一台の車、電話から一人一台」になりました。その結果、世帯数を上限としていた家電や自家用車の販売数が、個人個人に行き渡るようになり、産業の育成と生活レベルの向上を成し遂げました。しかし、低成長経済の中では、モノを個人で所有して喜ぶ時代は過ぎ去り、人と人をつなげる道具・装置・環境としての製品が求められています。個人の所有物を減らして、時間と空間を共有して幸せになろうとするシェアハウスの存在は、新しい日本人の価値観の現れだと感じます。デザイナーとしてこの事象を新しいテーマとして捉え、パーソナル用途としてデザインされた家具・家電を「シェア」を前提とした新しいコンテクストの中に位置づけます。こうした視点の移動を行うことで、個人の製品が災害時には大勢の人の役に立つようなものづくりを促す狙いがあります。

product-manner■デザイン対象:
プロダクト(製品)としての形・機能・使い勝手だけでなく、その運用面、複数の人が関わった際のマナーの問題など、複合的な切り口で製品のあり方を定義します。製品の便利さだけが望まれていた時代から、製品を通してどう人と人が関わるのかという、「不便さのデザイン」についての考察を促します。

授業では、実際に京都のシェアハウスで調査を行い、共有スペースのための家具や家電を考えました。最後はシェアハウスで発表を行いました。ご協力くださいましたJ-stay壬生屋敷の皆様に感謝いたします。

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