1年生最初の領域基礎演習でした。領域の概要説明のあと、パースマシンを使って遠近法の学習をしました。パースマシンはのぞき窓で目の位置を固定するので、モチーフと見る位置の関係が固定されます。500年ほど前にデューラーという版画家がこのような装置を使っていたそうです。この装置では立方体を上から見るので、3点透視になります。静物デッサンの時は通常2点透視を用いるので、受験デッサンとは少し勝手が違います。
クロッキー帳に描いた立方体と、セロファン上に見えた立方体を重ね合わせると驚くほどズレています。どちらも同じ眼で同じ人が見ているので、一致しないのはおかしいですが、一致する人はほぼいません。それは、セロファンに描いたものは、主観を入れずに立方体を機械的にセロファンに写していますが、クロッキー帳に描いたものは、一度脳の中で処理をしているからです。この装置を使うことで、自分では見たままを描いているつもりでも、脳のなかでパースや大きさ、奥行きを調整して見ていることが体得できます。